財団法人の解散事由

こんにちは、税理士の山下です。

JOC(一般財団法人日本ボクシングコミッション)が3/31の評議員会及び理事会で「財政難による解散を決定」したそうです。

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ただこの解散、わざわざ決議しなくとも自動的に「解散事由」に該当することにより、解散せざるを得ないものです。記事にも記載されていますが、財団法人は2期連続で正味財産が3百万円を下回ると解散事由に該当することになります。

JOCの情報公開を確認すると、正味財産は令和元年12月期で312万円とギリギリ、令和2年12月はコロナで興行できなかったことによるものか△25百万円と大きく減少しています。これに加え亀田家からの民事訴訟で1億円の損額賠償金が確定(最高裁上告は断念)し、絶望的な状況に陥ったものです。

 

ところで、この財団法人の解散事由。結構怖いものです。

財団法人はその名称の通り「財産の集まり」に法人格を与えたものです。よって、その財産(正味財産)が一定額を割ると、解散することになります。その一定額とは3百万円です。

財団法人を設立するには最低限、3百万円の財産拠出(寄附)が必要となります。この寄附に対する扱いが「非営利型」と「非営利型以外」で大きくことなります。

「非営利型」は法人税法上「公益法人等」を扱われ「収益事業課税」が行われます。寄附金の受け取りは収益事業に該当せず、この寄附に課税されることはありません。一方で「非営利型以外」は普通法人として「全所得課税」となります。その場合、受取寄附金に対して法人税等が課税されることになります。

実はこれ、相談されたことがあります。(弊社の顧問先ではありません)一般財団法人を立ち上げた2年後、顧問税理士から「正味財産が3百万円を割ったので解散です」と突然言われたそうです。この財団は立上から事業が軌道に乗るまで時間がかかり、当初2年間は収益が無く、かつ3百万円の拠出金(寄付金)に税金がかかったため、あえなく解散となった訳です。

この税理士は「最初にご説明しておりましたが」と前置きして言ってきたそうですが、個人的には「だったら非営利型にすることを提案するんじゃない?」というのが感想です。(ちなみにJOCは定款を確認したところ非営利型のようです。)

香川県で財団法人の設立を考えてらっしゃる方は是非、弊社にご相談ください。

 

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