雇用促進税制について

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 税理士法人 二見・岩村会計事務所の柏原です。

平成23年度税制改正法案は、与野党対立に東日本大震災の

影響も加わり、主要な項目が見送られる結果となりました。

しかしながら、その中で数少ない今回の改正の目玉の一つが

雇用促進税制の創設です。

雇用促進税制とは、前年より雇用(従業員)を増やした企業に

対する税制優遇制度であり、法人税(または所得税)の税額控除が

受けられる、というものです。さらに、雇用する人の数に比例して、

税額控除が大きくなります。

新規採用を考えている法人様、個人事業主様、ぜひ検討の上、

適用してみてはいかがでしょうか。

以下、制度の主な仕組みについて、紹介したいと思います。

 

適用対象者:青色申告書を提出する法人および個人事業主

 

 適用要件:①適用事業年度とその前事業年度に、事業主都合

            による離職者がいないこと。

         ②適用事業年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の

             数が、前事業年度末に比して5人以上(中小企業の

           場合は2人以上かつ10%以上増加していること。 

        ③適用事業年度における給与等の支給額が、比較給与

            等支給額(※1)以上であること。

        ※1 比較給与等支給額                   

         =前事業年度の給与等の支給額 + 前事業年度

           の給与等の支給額×雇用増加割合×30% 

 

税額控除額:雇用増加数×20万円(当期の税額の10%が限度)

        (なお、中小企業の場合は

        雇用増加数×20万円(当期の税額の20%が限度)となり、

        加えて住民税(法人県市民税)からも上記の額を控除できます)

        例)従業員30名の会社で新規3名採用した場合

        3人×(20万円+20万円)=120万円が税額控除可能となります。

        (ただし当期の税額の20%が限度)

 

  適用期間:平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始

         する各事業年度において適用(個人事業主の場合は

         平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各暦年)

 

 事務手続き:①事業年度開始後2ヶ月以内に、雇用促進計画を作成し、

            ハローワークへ提出する。(なお、平成23年4月1日から

            8月31日までの間に事業年度が開始する場合は10月31日

            までに提出)

         ②事業年度終了後2ヶ月以内(個人事業主は3月15日まで)

             に、ハローワークにて、雇用促進計画の達成状況の確認

             を受ける。(適用要件をクリアしたかどうか)

            書類受付から返送までに約2週間(4~5月は1ヶ月程度)

          要するので、確定申告期限に間に合うように留意すること。

         ③確認を受けた雇用促進計画の写しを確定申告書等に添付

             して、税務署に申告する。

 以上が雇用促進税制の主な仕組みとなります。尚、詳しいことにつきましては、

岩村事務所(担当 井上)、二見事務所(担当 柏原)までお問い合わせください。

尚、厚生労働省・都道府県労働局のホームページにも雇用促進税制について

掲載されています。

 http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/dl/koyousokushinzei_02_pamp.pdf#search='雇用促進税制'

 

 

 

 

        

 

 

 

 

 

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このページは、STAFFが2011年8月26日 13:19に書いたブログ記事です。

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