経済・金融: 2012年1月アーカイブ

銀行への提出書類-後編

|

 

こんにちは、二見事務所の山下です。

今回は、私の銀行員時代の苦い思い出をひとつ・・・。

 

新卒で第二地方銀行に入り、

ふたつ目の勤務地として、高松の支店で働いていたときの話です。

当時、26~27歳の頃。

まだまだ知識も経験も未熟な私は、融資先に試算表の提出を依頼していました。

当面の融資申し込み等がなくとも、自分自身の勉強のため、

そして、お客様である法人をより理解して、いざというときに役に立てるようにです。

 

そういった理由ですから、特に強制はしませんでした。

強制できない、と言うほうが正確でしょうか。

銀行としての要求ではなく、私の個人的なお願いですから。

それでも、ほとんどのお客様が快く応じてくれました。

そして、「良いアドバイスをしてほしい」とのお言葉をいただきました。

 

そんななか、あるお客様の経理部長が、嫌な顔をしました。

銀行としての依頼ではないこと、私の個人的なお願いあることを説明し、

お詫びをしたうえで、その場は終わりました。

 

それから数日が過ぎた月末。

そのお客様は、全ての預金を融資と相殺し、

足りない資金は他行から振込をして融資を全て返済しました。

営業の外回りから帰った私は、経理部長に電話。

理由を聞いたところ、

「我社に対して、試算表を出せなんて、失礼にもほどがある」

との返答でした。

 

銀行の月末における預金量・与信(融資)量は、

支店長会議などで課されたノルマがあり、

月末での突然の預金引き出しや融資返済は、支店にとって大ダメージです。

当然のことながら、私は支店長に大目玉を喰らいました。

 

しかしながら、私には理解できませんでした。

決して、強硬に依頼したわけでもない。

協力の意志がないと分かったら、すぐに詫びた。

他のお客様には、むしろ喜ばれていた。

(資料を要求された不快感より、自社のことを気にしてくれている、

 と評価してくださっていたようです)

なのに、なぜ、この会社だけが、こんなことに?

 

その答えは、随分時間が過ぎたのちに判明しました。

その法人が、2009年に民事再生法適用の申請をしたのです。

 

飽くまで推測に過ぎないのですが・・・。

私が銀行員であった頃、既に試算表を「提出したくない」状態だったのではないでしょうか。

決算書は各銀行に提出が必要なので、前もって準備ができても、

試算表を急に言われると、取り繕うことができなかったのではないでしょうか・・・。

 

私が試算表を依頼したのを、

「何か、感付きやがったのか・・・?」

と思ったのではないでしょうか。

そう考えれば、納得いきます。

 

私がした説明や謝罪も、

「こんな若造が、個人的に試算表を依頼するなんて有り得ない。

 下手な言い訳しやがって・・・。」

と思ったのだろうと考えると、スンナリ理解できます。

まさしく「疑心暗鬼」状態だったのでしょう。

 

今般の金融円滑化法では、銀行に対してコンサルティング機能を要求しています。

そう考えれば、支援してくれる銀行に対しては、必要な書類は提出すべきでしょう。

 

何を提出すべきで、何が提出する必要がないのか。

経営者の皆様が、必ずしも理解している訳ではありません。

また、税理士も全ての税理士が銀行対策に精通しているわけではありません。

しかしながら、全てを銀行に任せておくことも、私は出来ません。

私は元銀行員であり、去年「財務金融アドバイザー」資格を取りましたが、

今後も、もっともっと研鑽に励みたいと思います。

 

 

                                         おしまい

 

 

銀行への提出書類-前篇

|

 

こんにちは、二見事務所の山下です。

今回は、数か月前にあった銀行がらみのお話をひとつ・・・。

 

ある日、お客様(法人)の経理担当者から電話。

「◎◎銀行が、決算の資料で漏れてるものがあるので、

至急提出して欲しいって連絡がありました。」とのこと。

 

その銀行から渡された依頼資料の一覧をみると、次のようなものでした。

●個別注記表

●別表1

●税務署の受付印・電子申告受信通知

●別表4

●別表5(1)

●別表5(2)

●別表11

●別表16

●その他の別表

●法人事業概況説明書・会社事業概況書

●固定資産減価償却内訳明細書

 

「なんじゃ、こりゃ!」が、素直な感想。

私は、お客様から「銀行に提出しなければならない資料はなんですか?」

と聞かれたら、

「最低限、決算書と内訳書だけで良いです。」と答えてます。

併せて、「要求があれば、別表1、4、5、16なら提出してもOKです」と言ってます。

まあ、個別注記表も全然構いません。

 

でも上の一覧、「その他の別表」とか何?

減価償却の明細も、別表16とは別に出せだと?

いえ、こちらから融資をお願いしていて、

本店に案件をあげる工夫を色々とするためとかなら、良いんですよ。

でも、この銀行に新規融資の依頼など全くしていない。

そして、この銀行はメインバンクでなければサブバンクですらない

 

ふざけんなよっ!って感じで、社長に速攻でTEL。

「『どうして必要なのか理解不能なものが含まれている。

なぜ必要なのか理由を知りたいと顧問税理士が言っている。』と連絡してください。」

と依頼。

 

で、担当者の回答は次のようなものでした。

「報道等でご存知かと思いますが、当行の融資先である××社の破綻の関係で、

本店から全融資先に資料提出を依頼するように指示があるものですから・・・。

何卒、ご協力をお願いします。」

 

う~ん、納得できるような、できないような。

与信判断を誤ったのは、本人(銀行)の責任。

それを無関係な融資先に対して、理由にされてもな~。

 

でも、担当者のつらい立場も分からんでもない。

と言うわけで、社長には「まあ、提出してあげてもいいですよ」と連絡。

 

しかしながら、納得してるわけではありません。

というのも、

テメェんとこの与信取引は、割引だけじゃね~か!

と言う理由があります。

 

それに、もうひとつ。

提出漏れとか適当なこと抜かしてんじゃね~よ!

テメェんとこの、勝手な都合じゃね~か!

後出しジャンケンで腰を低くしても、遅ェんだよ!

 

メインバンクとかサブバンクに提出するのであれば、まだ納得できるのですが・・・。

自分の都合の良いことだけ言ってくるのは、立腹ものですね。

 

皆さんも、銀行が資料を要求してきたらナンでもカンでも言いなりになる必要はありません。

力関係にも当然よりますが、疑問に思ったら理由を聞くぐらいは当然の権利です。

上手に交渉できるよう、普段から理論武装しておきましょう。

 

 

                                         おしまい

 

 

 

このアーカイブについて

このページには、2012年1月以降に書かれたブログ記事のうち経済・金融カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは経済・金融: 2011年6月です。

次のアーカイブは経済・金融: 2012年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。