税務・会計: 2012年7月アーカイブ

種類別医療法人数の年次推移

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こんにちは、税理士山下です。

平成24年3月31日現在の「種類別医療法人数の年次推移」が、

先月下旬に公表されています。

 

昭和45年~平成24年までのデータが記載されているのですが、

医療法人の総数は、昭和45年は2,423件、平成24年は47,825件であり、

これは増加の一途です。

 

医療法人は「財団」と「社団」があり、ほとんどが「社団」で占めます。

また「社団」は、「持分あり」と「持分なし」に分類され、

その多くは「持分あり」となっています。

 

この「持分あり」の医療法人社団は、医療法の改正により、

平成19年4月1日以降は、設立が出来なくなっています。

 

「持分あり」のピークは平成20年の43,638件です。

医療法人総数に占める割合は、96.8%でした。

平成24年には42,245件で、88.3%となっています。

 

平成19年4月1日以降に設立する医療法人社団は、

「持分なし」でしか設立することが出来ません。

平成19年に424件(0.9%)しかなかったものが、

平成20年には1,034件(2.3%)と大きく増加します。

平成24年では5,189件で、10%を占めるようになっています。

 

より詳しい内容は、下記を参照してください。

「都道府県別医療法人数」も、併せて記載されています。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/igyou/igyoukeiei/houzinsuu04.pdf

 

最近、私個人は公益法人の専担状態なので、

医療法人の設立認可手続きからは、久しく遠ざかっています。

 

しかし当事務所は、もともと医療関係を得意分野としています。

岩村所長は公認会計士・税理士であると同時に、

医業経営コンサルタントでもあります。

有塚税理士多数の医療法人を担当しており、知識・経験ともに豊富です。

 

私も、公益法人関係で医務国保課と連絡を取ることが現在でも多く、

医療法人の設立認可申請については、それほど敷居が高くありません。

(医療法改正前での申請は、それなりに数をこなしています)

 

税理士をお探しの医療関係の皆様、

あるいは法人化を検討している医療法人の皆様。

お役に立てることがございましたら、ご連絡ください。

お待ちしております!

 

                                         おしまい。

 

 

 

NPOと公益法人の相違点

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こんにちは、税理士山下です。

公益法人の移行に携わっていることもあり、

他の非営利分野についても、色々と興味を広げています。

 

NPO法人に関しては、この本を読んでみました。

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中田会計士は、公益法人関係でも出版物のある先生です。

それゆえか、公益法人との違いが分かりやすいような気がしました。

 

以前、実吉氏のセミナーを受けた後に手引き関係を読んでいたので、

NPO法人についても概略は一通り知っているつもりでした。

それでも、いくつかの新しい知識を得ることができました。

自分自身の備忘記録としての意味も含めて、書いておこうと思います。

 

1.予算管理を行うか否かは法人の任意。

 そうは言っても、設立認証には活動予算書の提出が必要なはず。

 公益法人関係でも、一般社団・財団は法令では予算について全く触れていなく、

 また定期提出物にもなっていないのですが、では不要なのかと行政に聞くと、

 「確かに法で義務付けられてはいないが、必要です」という不思議な回答だったりします。

 

2.無償・低廉な施設の提供、ボランティア等の会計処理を可能。

 公益法人でも金銭換算して財務三基準で反映させることは可能ですが、

 財務諸表そのものに記載することはありません。

 NPOでは収益・費用で両建てして、財務諸表に記載することが可能なようです。

 「受入評価益」及び「評価費用」lと明示し、更に注記をします。

 

3.使途等が制約された寄付金等の取扱い。

 公益法人では「指定正味財産」として表示しますが、

 NPOでは、重要性が高くない場合は注記だけでもOKです。

 

4.事業費及び管理費は機能別表示ではなく形態別表示とする。

 これは公益法人(20年基準)でも同じですが、

 「機能別表示」、「形態別表示」という表現を、初めて知りました。

 形態別表示は、通常の会議費、旅費交通費といったものです。

 機能別表示は、〇〇委員会費、××部会費という表示です。

 

5.NPO法人会計基準では、売上原価対立法を認めている。

 一般的には三分法ですよね。

 物品販売による収益事業の割合が小さい場合、認められています。

 

6.特定資産は、流動資産の部又は固定資産の部において、

         当該資産の保有目的を示す独立の科目で表示する。

 公益法人の場合は、特定資産は固定資産の部に計上されます。

 そして指定正味財産or一般正味財産(or負債)との対応関係も表示されます。

 NPOの場合、流動資産でも計上が可能であり、また正味財産との関連も

 整合性を求められていないようです。

 

7.土地売却のキャピタルゲイン部分には課税しない。

 「相当期間(少なくても10年以上)」の保有が条件。

 公益法人同様の扱いになるようです。

 

8.実費弁償による事務処理の受託等。

 公益法人と同じように、税務署長の確認をうけて収益事業としないことが可能です。

 

9.補助金取扱い。

 これも公益法人同様に、固定資産の取得・改良等に対する交付であれば、

 収益事業用のものでも益金に算入しなくても良い。

 

10.特定収入に係る仕入税額控除の特例

  消費税法別表第三では、直接には挙げられていませんが、

 「みなし」で、公益法人と同様に対象となります。

 

 

細かい点を言えば、もっとあるのですが、

とりあえずキリの良いところで止めておきたいと思います・・・。 

 

NPO法人の県への提出物については、web上で公開されています。 

http://www.pref.kagawa.lg.jp/kenmin/vnpo/houjin/topics_top4.htm 

 

資金面の関係から、専門家に頼むことなく作成されている法人も多いようです。

しかしながら、先般の法改正により認定NPOあるいは仮認定NPOを目指すには、

会計面での整備が必要なはずです。

 

当事務所では、公益法人制度改正で培ったノウハウを、

NPO法人の皆様にも、ぜひ役立てていただきたいと考えています。

お困りの皆様、ご連絡ください!

お待ちしております!

 

                                      おしまい。

 

 

 

医療法人役員の兼務

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こんにちは、税理士山下です。

少し前になりますが、24年3月30日に、

「医療法人の役員と営利法人の役職員の兼務について」という通知が、

厚生労働省から出ました。

 

個人医院の開設者・管理者や医療法人の役員は、

営利法人等の役職員を兼務することを従来から規制されています。

 

しかしながら、従来の規制は兼務可能な範囲が不明確でした。

医療法人の場合、従来は以下のようになっていました。

以下、通知の一部を抜粋。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

開設者である法人の役員が、 当該医療機関の開設・経営上利害関係にある

営利法人等の役職員と兼務している場合には、医療機関の開設・経営に影響を

与えることがないものであること。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 何をもって「医療機関の開設・経営に影響を与える」ことになるのか。

その辺の判断が、行政に確認しても具体的に回答を得ることが出来ませんでした。

だから「兼務しない方が無難」という選択をせざるを得ない傾向になります。

 

これが今回の改正で、以下のようになりました。

以下、通知の一部を抜粋。(省略部分あり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

開設者である法人の役員については、原則として当該医療機関の開設・経営上

利害関係にある営利法人等の役職員を兼務していないこと。

ただし、次の場合であって、かつ医療機関の非営利性に影響を与えることが

ないものであるときは、例外として取り扱うことができるものとする。

また営利法人等との取引額が少額である場合も同様とする。

ア.営利法人等から物品の購入若しくは賃貸又は役務の提供の商取引が

 ある場合であって、開設者である法人の代表者でないこと、営利法人等の

 規模が小さいことにより役職員を第三者に変更することが直ちには困難であること、

 契約の内容が妥当であると認められることのいずれも満たす場合

イ.営利法人等から法人が必要とする土地又は建物を賃借する商取引がある

 場合であって、営利法人等の規模が小さいことにより役職員を第三者に変更

 することが直ちには困難であること、契約の内容が妥当であると認められることの

 いずれも満たす場合

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

全てが具体化しているわけではありませんが、かなりの改善です。

「契約の内容の妥当性」等が、どの程度の厳しさで運用されるのかなどが気になります。

もっと詳細を確認したい方は、下記のアドレスでご確認ください。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/igyou/dl/midashi_shinkyu120330b.pdf

 

 

                                           おしまい。

 

 

 

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